「歯ぎしりがあるけど、自分もセラミック矯正できるのかな」と迷っていませんか。せっかく前歯の見た目を整えても、装着後にすぐ欠けてしまったら意味がありません。歯ぎしりや強い噛み合わせの癖がある方こそ、治療前の見極めが重要になります。
本記事では、セラミック矯正に向いている人の特徴と、歯ぎしり・噛み合わせが破損リスクにどう関わるのかを、当院の診断体制とともにご説明します。
セラミック矯正は前歯の色・形を短期間で整えたい方に向いています
セラミック矯正は、歯を削ってセラミックの被せ物や薄いシェル(ラミネートベニア)を装着し、歯並び・色・形を整える自費診療です。ワイヤーやマウスピースで歯を動かす一般的な矯正治療とは異なり、装置を使わずに短期間で見た目を変えられる点が特徴です。一方で、歯を削る処置を伴うため、誰にでも同じように適応できる治療ではありません。
前歯の隙間・変色・形の乱れが気になる方は適応になりやすい
すきっ歯、部分的なねじれ、歯の欠け、変色などを主訴として前歯だけを整えたい方は、セラミック矯正の適応になりやすいケースです。歯列全体を大きく動かす必要がなく、被せ物の形と位置で見た目を調整できるためです。当院では口腔内スキャナーiTero・TRIOSで現在の歯並びを立体的に記録し、仕上がりのイメージを事前に共有したうえで本数やデザインを検討しています。
歯列全体の乱れが大きい方はワイヤー・マウスピース矯正との比較検討が必要
前歯だけでなく歯列全体が大きくずれている場合、セラミックの厚みだけで見た目を整えようとすると歯への負担が大きくなることがあります。このような方には、インビザラインなどのマウスピース矯正やワイヤー矯正を組み合わせる選択肢もあり、当院ではどちらが適しているか一緒に検討します。
健康な歯を削ることに抵抗がある方は慎重な説明を受ける必要があります
セラミック矯正は健康な歯を一定量削る処置が前提となるため、削る量やリスクについて十分な説明を受けたうえで判断することが大切です。当院では治療方針に迷う方向けにセカンドオピニオンにも対応し、選択肢とリスクを丁寧にお伝えしています。
歯ぎしり・強い噛み合わせがあるとセラミックの破損リスクが高まります

歯ぎしり(ブラキシズム)や強い噛み合わせの癖がある方は、セラミック矯正を受けた後に欠け・割れが起こりやすい傾向があります。就寝中の歯ぎしりは自覚しにくいため、事前の確認が欠かせません。
歯ぎしりは睡眠時と覚醒時の2タイプに分けられます
歯ぎしり(ブラキシズム)とは、上下の歯が非機能的な接触を生じている状態を言い、睡眠時ブラキシズムと覚醒時ブラキシズムとに分けられます。日本歯科医師会の解説では、睡眠関連疾患と考えられる睡眠時ブラキシズムと、日中の上下歯列接触癖として習癖的に生じる覚醒時ブラキシズムとで性質が異なるとされています[1]。音の出ないタイプもあるため、ご自身で気づいていない場合も少なくありません。
強い咬合力は被せ物の縁や薄いベニアに集中しやすい
セラミックは天然の歯に近い硬さと美しさを持つ一方、粘りに乏しく、一点に強い力がかかると欠けや割れが起こりやすい材料です。歯ぎしりや食いしばりで生じる強い咬合力は、被せ物の縁や薄いベニアの端に集中しやすく、経年的な負担につながります。当院グループで補綴治療を指導する藤澤政紀氏の専門知識も踏まえ、咬合力への配慮は当院の治療計画に反映されています。
就寝中のナイトガード併用や経過観察で負担を分散します
歯ぎしりの自覚がある方には、就寝中にマウスピース型のナイトガードを装着していただくことで、セラミックにかかる力を分散する方法があります。装着後も定期的な噛み合わせのチェックを行い、早期に負担のかかり方を確認することが破損の予防につながります。
当院では歯科用CTで噛み合わせを確認し破損リスクを事前に見極めます
セラミック矯正を検討する際、当院ではまず歯科用CTで顎の骨格・歯根・咬合の状態を三次元的に確認し、歯ぎしりや強い噛み合わせによる破損リスクを事前に見極めています。平面のレントゲンだけでは分かりにくい情報を立体的に把握できることが大きな利点です。
3次元画像診断で歯根や骨の状態を立体的に確認します
歯科用CTは1990年代後半に開発され、三次元画像診断を可能にした画像診断装置であり、現在では歯科医療に欠かせない存在になっています[3]。当院ではこの3次元立体撮影が可能な歯科用CTを用いて、歯根の向き・骨の厚み・咬合の高さなどを事前に確認し、精密な治療計画に活用しています。
マイクロスコープとの併用で削る量と補強方法を検討します
CTで骨格的なリスクを確認したうえで、実際に歯を削る際には最大20倍以上に拡大できるマイクロスコープを併用し、削る量を最小限に抑えながら被せ物の形状を検討します。神経に近い部分についてはMTAセメントによる神経温存を優先し、抜髄をできる限り回避する方針をとっています。
咬合の強さに応じてセラミックの種類・厚みを調整します
CT診断の結果、咬合力が強いと判断される場合は、割れにくさを重視したジルコニアなど素材の選択や、被せ物の厚みの調整で対応することがあります。当院ではジルコニア・オールセラミックといったメタルフリー素材を扱っており、噛み合わせの状態に応じて素材を検討します。
まとめ
- セラミック矯正は前歯の色・形・並びを短期間で整えたい方に向いていますが、歯列全体の乱れが大きい方や健康な歯を削ることに抵抗がある方には慎重な検討が必要です
- 歯ぎしり(ブラキシズム)は睡眠時と覚醒時に分けられ、日本歯科医師会も上下の歯の非機能的な接触として整理しています[1]
- 強い咬合力はセラミックの縁や薄いベニアの端に集中しやすく、破損リスクにつながります
- 当院では歯科用CTによる3次元的な診断とマイクロスコープを併用し、削る量や素材選びを個別に検討しています
- 歯ぎしりの自覚がある方にはナイトガードの併用や定期的な噛み合わせチェックをご案内しています
自分に向いているか気になる方は、初めての方へ(初診の流れ)でのご相談でCT診断による噛み合わせチェックを受けてみませんか。目黒I’s歯科・矯正歯科は目黒駅から徒歩1分、平日19:30まで・土曜も診療しており、お仕事帰りにもご相談いただけます(お電話 03-3441-7800)。
参考文献
[1] 日本歯科医師会「歯ぎしり」テーマパーク8020 jda.or.jp
[2] 日本補綴歯科学会誌「歯学部学生におけるブラキシズムの自覚と顎機能障害の関係」J-STAGE jstage.jst.go.jp
[3] 日本口腔インプラント学会誌「歯科用CTの開発の系譜と被曝線量の低減」J-STAGE jstage.jst.go.jp
